どうしてリバウンドするの?
ダイエットを実行した方なら少なからず覚えのあるであろう「リバウンド」。
リバウンドとは、ダイエットをしてそれを辞めた後に体重がダイエットをする前と同じになったり、それ以上に体重が増えてしまったりする現象を指します。
信じがたいことかもしれませんが、ダイエット経験者のうちの厄6割の方がこの「リバウンド」を経験していると言われています。
ダイエットに挫折したとたん、今まで抑制していた欲求がドカ~ンとでてしまい、暴飲暴食、体重も元通りどころかさらに激増してしまった…なんて笑い話にもなりませんね。
そんなことにならないよう、前もってリバウンドについての知識や対策を立てておくのがかしこいやり方かもしれません。
リバウンドが起きる原因
ダイエット経験者の多くの方が陥ってしまうリバウンド、そのリバウンドの主な原因はどこにあるのでしょう。
それは「運動をしないで行う無理な食事制限に偏ったダイエット方法にある」と言って間違いはないでしょう。
運動をしないで食事制限だけを行うと確かに体脂肪は落ちます。
摂取エネルギー < 消費エネルギー
ですから、摂取するエネルギーを無理に減らせば何もしなくても徐々に体重は減っていくことになります。
しかし、ここで見落としてはいけないことがあります。
食事制限で確かに脂肪は減る、しかしそれと同時に筋肉も減ってしまうのです。
するとどうなるでしょう?
筋肉は身体のなかでも最もエネルギーを消費する部分です。
その筋肉が減ってしまうと、当然のことながら消費エネルギーも減ってしまいます。
これは、太りやすい身体に変身したと言うことになりますよね。
また、人間の身体は、過去の食糧難の時代の記憶から、飢餓から自分を守るために基礎代謝を押さえエネルギーを節約し生命を維持しようとするものなのです。
基礎代謝量が落ちているので、今まで太らなかった程度の食事でも摂取エネルギーが余ってしまうと言うことになってしまいます。その余ったエネルギーが脂肪に変わり、身体に蓄積していく…要するに肥満になる、なりやすくなるということですね。
ダイエットを始めてしばらくの間は順調に体重が減っていったのだが、ある時点からちっとも減らなくなってしまった…という経験をお持ちの方もおられると思いますが、これも理由はは同じなのです。
脂肪も減るが筋肉も減る → 基礎代謝が落ちる → 体重が減らなくなる
こんな感じでしょうか。
ホメオスタシスとレプチン
ホメオスタシスとリバウンド
ホメオスタシスとは生体恒常性とも呼ばれる機能で、生体の内部や外部の環境変化に反応し、生体の状態を一定に保とうとする性質のことをいいます。
ホメオスタシス機能は体の維持に必要な状態を保つために機能しています。
- 体温が一定に保たれる
- 体の血圧が保たれる
- 体内の水分や、体液の浸透圧が保たれる
- 傷口がふさがる
- ウィルスなどの病原微生物を身体から排除する
体温や血圧がほぼ一定の範囲に収まっているのは、このホメオスタシス機能が正常に働いているからなのです。
ホメオスタシスと停滞期
食事制限でダイエットを行っていると、始めた時からしばらくは順調に体重が落ちるものです。でも、ある程度ダイエットを続けているとなかなか体重が落ちなくなってきます。
これを停滞期というのだそうですが、この状態はしばらく続きます。
この体重が落ちにくくなる停滞期にはホメオスタシスが深く関わっています。
ホメオスタシスは、摂取エネルギーが減ってしまったことを感じるとエネルギー消費を抑えて体重を維持しようとします。
このホメオスタシス機能がダイエット中に働くと、食事の量の減少(摂取エネルギーの減少)にともなって消費エネルギー量も減ってしまうため、なかなか体重が減らなくなります。
「これ以上体重は減らないのかな~」と停滞期にダイエットをやめてしまうとどうなるでしょう。
食事量は元に戻っても、ホメオスタシス機能はすぐには止まりません。
その結果として、消費エネルギーが減少した状態が続き、余った摂取エネルギーが脂肪として蓄積されていく、そして前よりも太ってしまうという結果を生んでしまうのです。
レプチンとリバウンド
レプチンとは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、主に食事をした後などに分泌されます。
このレプチンは満腹中枢を刺激することで満腹感を感じ、食欲を抑制してくれるという仕組みのためのホルモンです。血液中のレプチンを高濃度に保てれば食欲が減退しダイエットに好影響がありそうですがそううまくいくものではありません。
ダイエットで食事量を減らすとこのレプチンの分泌量も減少してしまいます。そして減少したレプチンの量が元に戻るには時間がかかります。
ダイエットを諦めて(もしくは終了して)食事を元の量に戻したとしてもレプチンはすぐには増えてくれませんので、満腹感を得られにくくなり、うっかり食べ過ぎてしまうことになってしまいます。
リバウンドしないダイエット
リバウンドでさらに太ったからからどうしよう…ではなく、リバウンドを起こさないダイエットを行う方が良いに決まってます。
そんな都合のいいダイエットなどあるのでしょうか?
そのためには
- ホメオスタシス機能を働かせないようにする
- レプチンをセットする
- 過激なダイエットはしない
- 適度な運動をする
の4つを満たすことです。
ホメオスタシス機能を働かせない
ホメオスタシス機能は、1ヶ月に体重の5%以上が減少すると最大限に働くようにできています。ですので、短期に急激なダイエットなどをしないで、1ヶ月の体重減少を5%以内に抑えるようにしてホメオスタシス機能が働き始めないように心がけることがポイントになります。
レプチンをセットする
レプチンの量をセットするには最低でも1ヶ月の期間が必要です。
減少した体重を1ヶ月間維持することでレプチンの分泌量が減少した状態を保つことができます。
停滞期に入っても焦らずに1ヶ月ほどダイエットを続けることでリバウンドを防止できます。
ちなみに、レプチンは必須ミネラルである亜鉛が不足すると働きが鈍ってしまうので、亜鉛をはじめとするミネラル類をバランス良く摂取することが必要です。
過激なダイエットはしない
これはホメオスタシス機能やレプチンの働きとも関わることですが、ごく短時間で急激に体重を減らす過激なダイエットはオススメできません。
どうせ短期間だからと断食ダイエットや、そこまで行かなくても炭水化物抜きダイエットとかフルーツだけ食べる単品ダイエットなどは一時的に体重が減っても続かないし確実にリバウンドへ一直線です。
先の体重の5%を念頭に、脂肪になりやすい炭水化物を少し減らす。例えば、ご飯をお茶碗1杯食べていたものを8分目にするとか、食パンは1枚に抑えるなどをしながら、野菜中心で肉や魚など良質のタンパク質を適量摂るようにすれば徐々に体重も減っていくでしょう。
食べ方も注意、よく噛むことが重要
良く噛んで食べることで満腹中枢を刺激することができ、満腹感を得やすくなります。
かき込むような早食いは禁物です。
よく噛むことは脳の血流量も増やすという効果があるそうです。
「ひと噛み3.5cc」と例えられることもあるようですが、よく噛むことでそれだけ脳への血流量が増えるということです。認知症予防にも効果があるかも…ですね。
食べる順序
食べる順番ダイエットなどというダイエット法もあるように、食べる順番もかなり重要です。
その食べる順序とは
- 汁物から食べます
汁物は食べやすい上に割と量がありますから満腹感を感じやすくなります。 - 食物繊維を食べます
野菜や果物、海藻などのサラダをはじめに食べると、食物繊維の作用で血糖値の急な上昇を抑制することができます。 - タンパク質を食べます
次に肉や魚などの良質なタンパク質を食べます。 - 最後に炭水化物を食べます
最後がご飯や麺類などの炭水化物を食べます。こうして炭水化物を最後に食べるところがポイントです。空腹状態でいきなり炭水化物を食べると血糖値が急上昇してしまい脂肪がつきやすくなってしまいます。
この順番を守ることでダイエット効果を最大限に発揮することができるようになります。
適度な運動をする(続ける)
ダイエットでカロリー制限をすると脂肪も落ちますが筋肉も減少してしまいます。
筋肉は身体のなかでも最もエネルギーを消費する部分です。その筋肉が減ってしまうと、当然のことながら消費エネルギーも減ってしまいます。
適度な運動をダイエットに取り入れることで筋肉の量を維持する事ができれば、基礎代謝が低下する事もなく太りにくい(痩せやすい)体質も維持することができます。
2度とリバウンドはしないあなたのダイエット
つらく苦しいダイエットでせっかく落とした体重が、ダイエットをやめた途端に体重が元に戻りダイエットが台無しに…。
苦労したあげくガッカリしないためにも無理なダイエットは避けるようにし、目標体重とそれを維持するための食生活や適度な運動などを計画的に行うことが理想の体重を維持するために最も適したあなたのダイエットなのかもしれませんよ。