低インスリンダイエット
低インスリンダイエットよは
日本人の5人に1人は「肥満」といわれています。肥満は、「生活習慣病」の危険因子となることから、肥満の方は健康的な生活を送るためにも肥満を解消しなくてはなりません。
最近、テレビ等で“低インスリンダイエット”について報道されていますが、このダイエット法についてご紹介しましょう。
低インスリンダイエット、一時期ブームになったような…。今は落ち着きを取り戻しているのでしょうか。今までにテレビでも幾度となく放映され、雑誌やインターネットなどの各種メディアなど多岐にわたり登場しています。低インスリンダイエットとは、一言で言うならば「食後の血糖値が上昇しにくい食品を食べる」ということである。それがなぜ「低インスリン」なのか? ダイエットになるのか? そもそもインスリンとは何だろうか?
低インスリンダイエットのインスリンとは
日本ではインシュリンという」呼び方の方が一般的で知名度も高いですが、英語読みではインスリンの方が正しいようなので、ここでは「インスリン」で通すことにします。
インスリンとは膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島β細胞から分泌されるホルモンのこと。ランゲルハンス島はドイツの病理学者ランゲルハンス(Paul Langerhans)が発見した内分泌細胞で、膵臓内に島のように点在することからこう名付けられました。インスリン(insulin)という名前の由来はラテン語で島を意味するインスーラ(insula)に化学物質を表す接尾語 in を組み合わせたものなのだそうです。
インスリンは生命活動には欠かせないホルモン物質で主に次のような働きが認められます。
- ブドウ糖の利用:インスリンは血中の糖を肝臓や筋肉組織へ送り込む働きをしています。糖分は人間が活動するためのエネルギーとなり、それを効率よく取り込むためにインスリンが作用しているのです。
- 脂肪の形成・貯蔵を促進:血中から肝臓や筋肉組織に取り込まれる糖分には限界値があります。この限界を超えるとインスリンは糖分を脂肪細胞へ運ぶようになってしまいます。脂肪細胞に運ばれた糖分は脂肪に取り込まれ、脂肪が肥大化する事になります。肥満の始まりですね。
インスリンは脂肪の形成を働きかけることから、別名「肥満ホルモン」という恐ろしい(笑)名前で呼ばれることもあります。このインスリンの多量分泌を抑えれば、余分な糖分が取り込まれて脂肪になることがなくなる、というのが「低インスリンダイエット」の原理のようです。ちなみに何らかの原因で体内からインスリンの分泌が正しく行われずに血中に糖分が残るのが「糖尿病」である。(糖尿病には、他にもいくつかの型があります。詳しいことは、厚生労働省の糖尿病ホームページをご覧下さい。)
低インスリンダイエットの方法
インスリンの分泌量を減らすことで脂肪の合成を抑制し、脂肪の分解を促進させることを目的とした低インスリンダイエット。血糖値を上昇させにくい食べ物(GI値の低いもの)を選択的に摂取するようにすることが基本になるようですね。
血糖値上昇の目安はGI値
低インスリンダエイットで問題になるのは、食品のカロリーではなく、食品の種類です。血糖値を急激に上昇させない食品をて摂取すればよいということになります。その指標とされるのが“GI値(グリセミック・インデックス)”です。この値は、食物が体内で糖に変わり、血液に吸収されて血糖値を上げるまでの速度を数値化したものです。基準食(通常はブドウ糖)の血糖上昇率を100としたときの相対値で表されます。この値が高い食品ほど血糖値の上昇が早いことを意味する(ただし、同じ食品でも調理方法によりGI値が変わることがあるので注意しましょう)ため、低インスリンダイエットではGI値の高い食材の摂取量を避けたり、減らしたりすることにより、全体の食事量を変えずに食材を変えてダイエットしようというものです。
表でも分かるとおり、白米よりも玄米の方がGI値が低く、野菜類ではイモ系よりも葉っぱ系のほうが比較的GI値が低いのがわかります。表中にはありませんがキノコ類のGI値は極めて低く、低インスリンダイエット向き、また魚類は全般的に低いのがわかります。とくに青魚がお勧めと言えそうです。
低インスリンダイエット:食品のGI値比較
最近は、SOYJOY(ソイジョイ)のCMで、低GIがどうのこうのと言っていますが、食品によってGI値は上中下があるようです。下の表は数ある食品の一部について、そのGI値を表したものです。参考にしていただければと思います。
やはり、ひじきとかもずくとかがとてもGI 値が低いのがわかります。ひるがえって、チョコレートは非常にGI値が高いのがわかります。おいしいんですけどね~、チョコレート。
食品名 | GI値 | 食品名 | GI値 |
食パン | 91~95 | フランスパン | 93~95 |
白米 | 81~88 | うどん | 85 |
パスタ(乾燥) | 65 | ライ麦 | 55 |
日本そば | 55 | 玄米 | 55 |
中華そば | 50 | ジャガイモ | 90 |
ニンジン | 80 | とうもろこし | 70 |
豚肉 | 46 | 牛肉 | 46 |
鶏肉 | 45 | ラム | 45 |
ツナ缶 | 50 | あじ | 40 |
えび | 40 | イクラ | 40 |
ひじき | 19 | コンブ | 17 |
もずく | 12 | ところてん | 11 |
チョコレート | 91 | クッキー/td> | 77 |
プリン | 52 | ゼリー | 46 |
カボチャ | 65 | サツマイモ | 55 |
グリンピース | 45 | トマト | 30 |
大豆 | 30 | キャベツ | 26 |
レタス | 23 | ほうれん草 | 15 |
たまねぎ | 30 | きゅうり | 23 |
もやし | 22 | ピーマン | 26 |
※表は一例であり多少らつきがあります。